ホスピタリティー・感動のサービスが実現する時
ロウリーズのサーバー初日の、感動の瞬間!
ロウリーズの新人にとって、テーブルを担当するのは一つのステイタスだ。最初の1ヶ月半は、お客様の前でのサービスはできない。先輩の横に付いてその一挙手一投足を見るOJT学習に終始するのだ。その後、担当テーブル1つからスタート。3ヶ月ほどで4テーブル担当も可能になるが、サービスレベルがキープできなければテーブル数が減ることもあり、なかなか厳しい。5テーブル担当やプライベートルーム(個室)担当が、みんなの憧れだ。「仕事の報酬は仕事」という言葉がある。報酬は給料ではなく、ステップアップされた次の仕事に表れるという意味。ロウリーズはこれを地で行く企業だ。
スタッフのがんばる姿に河野総支配人が感動した事例を紹介しよう。なかなか仕事が覚えられず、2年間もサーバーに出られない女子学生がいた。裏方の仕事にも慣れ、それなりに日々の仕事をこなしていたが、やはりサーバーとしてお客様の前に立ちたい気持ちを捨てられず、ある日、もう一度トレーニングを受けたいと申し出たのだ。トレーナーによるOJTが再開された。最終試験を行うのは支配人。ところが何度チャレンジしても許可が出せるような技能が身につかない。7回8回やっても不合格。その後しばらく試験を受けに来なかったのであきらめたのかなと思っていたら、これが最後と覚悟してまたやってきた。実に10回目の挑戦で、本人もトレーナーも気合いが入っていた。その完璧なオペレーションを見て、支配人は心を揺さぶられたという。「合格」の言葉に、彼女とトレーナーは抱き合って喜んだそうだ。
そしてついに彼女は初めてお客様の前に立った。緊張で震えているのが支配人にもわかった。練習したことをすべて忘れてしまいそうなぐらい緊張して痛々しいほどだったが、それでも彼女はひたすら心を込めて、一生懸命お客様に尽くしたのだ。 彼女はその日がデビューであることをお客様に言わなかった。お客様の前に立つからには一人のプロなのだと考えていたからだ。そのお客様は、帰り際に彼女にこう声をかけた。「今日はあなたが担当で本当に良かった。ありがとう」と。
その瞬間、彼女もトレーナーも号泣した。支配人も泣いてしまった。そしてこの話を聞いた私の胸にも熱いものがこみ上げてきた。なんてすばらしいサーバーだろう。彼女は、技術のつたない新人であっても、真心を尽くせばお客様の心を動かせることを教えてくれたのだ。