最速で繁盛店を目指すならフランチャイズに加盟しよう!

日本一のたこ焼チェーン「築地銀だこ」

株式会社ホットランド 佐瀬 守男 社長

 「我が物と思えば軽し笠の雪」という諺がある。自分のためならば苦労も負担に感じないことのたとえだ。同じ仕事でも、自分で考えて行うのと人に言われて行うのとでは意欲の大きさが違う。まして自分の店ならば、それを強く実感できるだろう。意欲は成功への強い原動力となる。
 株式会社ホットランド(佐瀬守男代表)が運営する「築地銀だこ」は、日本一のたこ焼チェーンだ。社員独立制度などの低投資のフランチャイズにより国内外で約500店舗を、また「銀だこ酒場」は64店舗のチェーン展開で成功を続けている。
 拙著「会社も個人も最速で繁盛店を目指すならフランチャイズに加盟しなさい!」(あさ出版)にて取材させていただいたご縁から、ホットランドFC担当の戸塚裕也氏にお話を伺うことができた。今月は、「築地銀だこ」を中心とする同社のフランチャイズについてご紹介する。


たこ焼は小さなストロング商品(築地銀だこの強み)

佐瀬社長は、若い頃にマクドナルド、KFC、ミスタードーナツ等のアメリカから上陸してきたファストフードに憧れ、和のファストフードを作りたいと考えて試行錯誤を重ねたという。
 中でも、軽食やおやつ、おつまみなど、全時間帯で需要があるたこ焼に注目。しかも作る工程をオープンにできるためパフォーマンス性(ライブ感・できたて感)も高いと考えた。さらに美味しさをとことん追求し、「皮はパリッ、中はトロッ、タコはプリッ」のたこ焼を開発して実演販売し、日本一のたこ焼チェーンへと成長しいていったのだ。
 たこ焼で年商300億円である。わずか4〜5坪の店で平均月商450万円、立地によっては月商1000万円を超える店もあるという。
 銀だこのストロングポイントをまとめると、以下の5点。
1 ブランド力(日本一のたこ焼チェーン)
2 単品商品でオペレーションがシンプル
3 全時間帯に強く、製造・販売にライブ感がある
4 原材料が少なく、在庫も少ない
5 テイクアウトに強い(コロナ禍でも安定)
 テイクアウトの比率はイートインのある店でも6~7割。そのためコロナ禍でも、売上は2019年度対比で100%に回復している。テイクアウト専用の商品「だんらんパック」(16個・24個)もある。
 またデリバリーも好調で、350店ほどが導入している。デリバリーの比率は平均10%だが、多い店では20%を超える。



フランチャイズと社員独立制度

一般的なフランチャイズの場合、初期投資は約2000万円で、回収には5年程度を要するが、銀だこの場合、立地が良くて月商700万円を維持できれば、2年ほどで回収可能である。
 開業前の研修として、加盟店オーナーは本部のもとで4週間、マネジメント(座学)を学ぶ。1週間はブランドの理念・飲食業の基本・労務・衛生管理をしっかりと頭に入れる。また技術は、実際の現場で徹底して身に付ける。
 開業後はSVが月に1回巡回指導する。その際は入店して実践指導、さらに経営管理(原価・人件費・利益・販促企画など)を指導。訪問ごとにレポートで今後の課題を示す。
 ホットランドでは社員独立制度(IPC契約)も充実している。マイスター → CEO → 副店長 → 店長 というように、社内ライセンスを取得してステップアップしていくのが独立への流れである。早い人で1年、平均3年程度で独立の権利が得られる。
 家賃と減価償却は、本部負担で25%前後(物件により異なる)。ロイヤリティの投資もないため非常に有利である。
 社員独立制度を利用するメリットは次の3つ。
1 給与を得ながら修行し、独立に必要な技術や経営スキルを身に付けられる
2 少ない開業資金(加盟金100万円)で始めることができる
3 既存店舗を引き継ぐ形で、スムーズに独立できる。
社員からオーナーになると、120%も売上増するようなケースが多い。これは私の他のクライアント先(FC本部)でもよくあることだ。本気度が違うのである。
FC加盟店の集まる「オーナー会」(年2回実施)は、現在約100社に上る。約6割が個人オーナーで、そのうちの4割が複数店を経営している。最近ではスムーズに技術習得できる振動機能付の新型たこ焼器の導入も進んでいる。


銀だこのエリアフランチャイジーで上場を目指す

 銀だこのアルバイトから経営者へと人生が劇的に変わった人の例を挙げよう。銀だこ1号店のオープン時に佐瀬社長から手伝ってほしいと言われ、アルバイトからスタートした澤野寛之さん(当時25歳)だ。
 アルバイト時代は、毎日行列ができる店で佐瀬社長と寝食を共にして働いた。そして数カ月後、ホットランドからの支援を受けて、社員独立制度で独立した。澤野さんの店は大成功し、25年後の現在は「銀だこ」37店、「銀のあん」3店、居酒屋・油そばなど8店を経営する、立派なメガフランチャイジーになった。
 現在の澤野さんは、年商30億円、利益2億円の企業、株式会社タコプラグループホールディングスの社長である。澤野社長の目標は、銀だこのエリアフランチャイジーとして上場することだ。


新ブランドの出店と正月の福袋

 築地銀だこのたこ焼を看板メニューとする「銀だこ酒場」でも、社員独立制度を使って独立する人が多い。
 銀だこハイボール酒場は、銀だこで通常販売している定番メニューに加え、酒場限定のメニューを用意し、たこ焼に合う強超炭酸ハイボールなどを楽しめる店だ。また、新ブランドも誕生している。その一つである「おでん屋たけし」(12店舗)については、今月号の「実力店長はここが違う」でも紹介しているが、売上は夏場でも500万~600万円、冬場は800万~900万円と好調の新ブランドだ。
今回の取材で驚いたことがある。銀だこでは、正月に福袋(1000円、3000円、5000円)を販売する。大変お値打ちな内容のため大人気で、正月の1日で福袋の売上だけで400万もあるという。
 ロードサイド・SCの築地銀だこ、繁華街型の銀だこ酒場、そしておでん屋たけしと野郎めし(大衆食堂)。これからますます成長が期待できるホットランドのFCである。今後のビジョンは世界を視野に入れた「1000店舗の達成!」だ。



【企業情報】

社名/株式会社ホットランド(東証プライム市場上場)
設立/1991年6月
店舗数/直営 300店、FC 340店
所在地/〒104-0041 東京都中央区新富1丁目9-6 ザ・パークレックス新富町4・5F
TEL/03-3553-8885
FAX/03-3553-8177
URL/http://www.hotland.co.jp/
FC担当者/戸塚裕也


<収益モデル>

 銀だこ銀だこ酒場
売上高   450万円(100%)   700万円(100%)
原価    184.5万円(41%)   245万円(35%)
人件費   110万円(10%)   175万円(25%)
家賃   45万円(10%)   84万円(12%)
ロイヤリティ   22.5万円(5%)   35万円(5%)
水道光熱費   21万円(4.7%)   21万円(3%)
その他経費   20万円(4.4%)   21万円(3%)
償却前営業利益   47万円(10.4%)   119万円(17%)
<開業資金>(※社員独立制度の場合は、加盟金の一部のみ)


 銀だこ銀だこ酒場
加盟金    200万円   200万円
研修費    100万円   100万円
店舗設備費  2000万円   2500万円

合計     

2300万円   

2800万円


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