繁盛店を目指すなら優良なフランチャイズに加盟しよう!

千房の美味しいお好み焼の原点は「人間味」にあり!

千房ホールディングス株式会社  代表取締役社長 中井貫二

「千房」は千房ホールディングス株式会社が経営する、関西を代表するお好み焼チェーンである。現在68店舗(直営36店、FC32店)を展開している。また千房ブランドとして、高級業態の「ぷれじでんと千房」(7店)や「千房Elegance(エレガンス)」(2店)居酒屋など6店舗経営している。
1973年、食通の店が立ち並ぶ大阪の千日前にて千房は産声を上げた。千房という名は大阪城を築いた豊臣秀吉の馬印に由来するものだ。その馬印には房になった瓢箪が描かれていた。お客様一人一人を表す瓢箪が千の房になるようにとの願いが込められている。企業コンセプトは、「千房は一人一人のお客様に関心を持って接客しています」である。
今月は、代表取締役社長の中井貫二氏にお話を伺った。なお今月号の「実力店長はここが違う」では千房道頓堀店を紹介しているので、併せてお読みいただきたい。

慶應大学・野村證券・千房入社まで

千房の創業者は中井政嗣氏(貫二社長の父で、現会長)。貫二社長は1976年生まれの三男だ。子どもの頃から家業を継ぐのは長男だとほぼ決まっていて、次男・三男は自立せよと言われて育った。長男はやんちゃなタイプの人気者で、次男はおとなしかった。三男の貫二氏はいつも兄たちの様子を見ていたせいか、要領の良い子に育ったという。
スポーツ好きで、中学・高校時代はサッカー部で頑張った。勉強も大好きだったため成績は常に上位で、慶應大学に進学。大学ではアメフト部で活躍した。大阪に帰るつもりはなく、厳しい業界で働きたいと思って野村証券に入社。入社式には新入社員代表に選ばれたほどの期待の新人で、3年目からは自他ともに認めるトップクラス営業となった。
組合の議長も務めた。議長経験者はその後役員になるといわれるエリートコースだ。順風満帆で、会社を辞めるつもりは全くなかった。ところがある時父親から「帰ってこい」との連絡が入った。長兄が病気で深刻な状態なので、代わりに後を継いでくれというのだ。野村證券での仕事は順調だし、戻れば収入も半減するのだが、継ぐことを決意した。結局2014年に兄が逝去し、従業員たちは困窮。幼い頃から「従業員のおかげで食べていける」と教えられてきたので、継がないという選択肢はなかったのだ。こうして38歳の時、貫二氏は千房に入社し、専務取締役営業本部長に就任した。

赤字でボーナスを出さないのはおかしい!

だが外食産業については全くわからなかった。会社のこと、事業のことを知りたくて、社長と副社長を除く幹部全員を集めて合宿ミーティングを行った。「千房の良いところ悪いところ、全て話してほしい」と言い、忌憚のない意見を求めた。その結果、社長はカリスマで、あらゆることを決定していたことがわかった。創業者の素晴らしいところを継承しつつ、古い体質や問題点を改善しようと、改革に乗り出した。
千房では元受刑者の雇用を行っており、それに対する意見は様々だったが、第1回全国店長会議にてその継続を発表。また経営会議において、上半期は赤字なのでボーナスは出さないと言う話が出たが、中井貫二専務はこれに反対した。「従業員は頑張っていたのに、それに報いないのはおかしい。利益が出ないのは経営陣の責任」だと主張して、ボーナスを出した。従業員たちは専務の想いと決断を汲み取り、それに応えて仕事に励み、次の半期には過去にないほどの利益を出した。

千房のストロングポイント

1.お好み焼の「味」と「人間味」

おいしいお好み焼には人間味が必要。食と人が融合して成り立っている大阪の飲食店の中でも、千房は際立っている。おいしいのは当たり前。「接客が素晴らしかった」「居心地がすごく良かった」というお客様の声が後を絶たない。千房の味にはスタッフの人間味が加味されているのだ。

2.やらかす千房(期待以上)

関西弁で『やらかす』とは「やってしまう、しでかす」という意味だが、近年では「期待以上」といった良い意味で使われることも多い。「や」わらかな発想で、「ら」しさを大切にし、「か」んがえたことは、「す」ぐにやる。これが千房の『やらかす』である。
例えばマヨネーズをお好み焼に飛ばす「マヨビーム」は、お好み焼屋として世界で初めて千房が披露したパフォーマンスである。また48年前、デパートに初めてお好み焼屋を出店したのも千房だ。シティホテル(都ホテル)への初出店も千房だし、機内食として初めて登場した本格的なお好み焼も千房の豚玉だった。千房はやらかすイノベーターなのだ。

3. 千房の社会貢献

「経済=経世済民」(世をおさめ民を救うという意味)の精神に基づき、世のため人のため社会のために尽くすことを旨とし、元受刑者や児童養護施設出身の人を採用するなど、社会や地域のた めに様々な貢献をしてきた千房。
中井政嗣会長は関西演芸推進協議会を立ち上げた。ラジオ番組のスポンサーにもなった。また道頓堀商店会の会長を政嗣会長、そして現在は副会長を貫二社長が務めている。また貫二社長は大阪外食産業協会の会長も務めている。

年商5億5千万円の道頓堀店

千房道頓堀ビル店は月商4700万円(年商5億5千万円)。世界一のお好み焼店である。1日の客数は1000人。月間3万人以上のお客様が来店する。
インバウンドの外国人が8割を占めることから、コロナ禍では客数がそれまでのわずか3%にまで減少した(97%減)。それでも店は開け続けた。道頓堀商店会の一員として、たとえ一時的にでも火を消したくなかったのだ。中井社長はそのとき全従業員に、「私の命に変えても皆さんの雇用は守る」と宣言した。従業員はファミリーである。従業員に安心して働いてもらうためには、経営者の強いメッセージが必要なのだ。

チェーンらしくないチェーン企業

千房が重視しているのは、店舗数を増やすことではなく、クオリティを維持しつつ着実に成長していくこと。「商売と屏風は広げすぎると倒れる」のだ。しかし、フランチャイズ展開と海外出店、そして物販は強化していくという。
海外は現在6店舗(ハワイ、台湾、ベトナム、中国、フィリピン)で、韓国1号店がこの4月にオープン。フランチャイズの場合、個人の開業と、千房社員の独立(のれん分け)が多い。
千房のブランド力は大きな強みであるが、オーナーの考えを店づくりや運営方法に最大限に取り入れることができる柔軟さがあるのも千房の特徴だ。SVの許可があれば、直営もFCもフレキシブルなメニュー(地域密着型商品の導入など)が可能だ。社長もほとんどノーとは言わず、「こんなメニューがあるの? いいね」と励ましたりする。
高級業態のぷれじでんと千房は、鉄板焼ステーキ&厳選食材を生かした格調高いお好み焼を、また千房Eleganceは、旬の素材をふんだんに使った本格的創作鉄板料理&お好み焼を、それぞれ楽しめる店だ。いずれも高級感あふれる店内でゆっくりくつろげる、客単価1万円の店である。さらにこの3月には、女性だけで運営する店(女性活躍プロジェクト1号店)もオープンした。女性社員からの提案で誕生した彩り鮮やかな創作鉄板料理の店で、女性シェフが腕を振るう。
今期は創業50年にあたる。「千房ブランドの再構築により、若い人がカジュアルに利用できる店や、さらに新しい高級業態にもトライしたい。お好み焼=千房。理念を共有できるオーナーと一緒に、これからの千房を作っていきたいですね!」と、中井社長は熱く語ってくれた。




開業資金と収益モデル

<開業資金>

加盟金  200万円
保証金  100万円
開業前研修    150万円
設計管理工事費  5150万円
---------
初期投資 5600万円

<収益モデル>

売上  600万円(100%)
原価  162万円(27.0%)
人件費  175万円(29.2%)
家賃  45万円(7.5%)
その他経費  91万円(15.2%)
償却前利益  127万円(21.2%)


【企業情報】

社 名 千房株式会社
創 業 昭和48年12月
所在地 大阪市浪速区湊町2丁目2番45号 オンテックス難波ビル7階
TEL  06-6633-2131
FAX  06-6633-2191
URL  http://www.chibo.com/




バックナンバーページへ