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伝串50円と生ビール190円で「新時代」急成長中!
株式会社ファッズ
新時代は、株式会社ファッズ(代表取締役 佐野直史)が経営する居酒屋チェーンで、伝串を看板メニューとしている。ファッズはコロナ禍でも快進撃を続け、現在はグループ全体で152店舗を展開。うち新時代が131店舗(直営40%、FC60%)で、急成長中だ。佐野社長は2023年度外食アワードを受賞している。
社名のPHADS(ファッズ)は、Partner パートナー(仲間)、Heart ハート(心)、 Agola アゴーラ(今)、 Dream ドリーム(夢)、Sanoism サノイズム(プロ意識)の頭文字を組み合わせたものだ。
経営理念は「食を通して世に貢献し、私たち社員、そして私たちに関わる全ての人が幸せになる事を目指す」。
行動指針は「挨拶/挨拶をもって道を開き 感謝/感謝をもって道を整え 清掃/清掃をもって永代引き継ぐ」である。今月は、新時代FC担当役員である小林三剛 取締役副社長にお話を伺った。
まず、新時代ナンバー1である秋葉原本店(直営店)の売上に驚かされた。今年8月の売上は4215万円。年商は5億円。居酒屋1店として、日本一繁盛している店ではないだろうか。ちなみにFC店の売上ベスト3は、新宿西口大ガード店3600万円、阪急三宮駅西口店3100万円、大宮駅南銀座店3000万円だ。これだけ繁盛しているためか、新時代はFC企業による複数出店が多く、2ケタ出店をしている企業もある。将来的に30店出店を目指すFCオーナーもいる。
全てはブラジルから始まった
ファッズの経営理念の根底には、佐野社長が若かりし頃のブラジルでの体験がある。彼は高校卒業後、プロサッカー選手を目指して単身ブラジルに渡った。ブラジルにおける凄まじいサバイバル競争の中、相談相手もいない佐野青年は毎日自分の甘さや弱さを痛感しつつ、ただ夢に向かって頑張るだけの日々を送っていた。
そんなある日、チームメイトの一人が彼を自宅に招待してくれた。普段はライバル的存在で、佐野青年をいじめていた中心人物でもあるそのチームメイトは、スラム街に住んでいた。レンガを積
んでトタンで覆っただけの、今にも崩れそうなその家に入ると、テーブルの上にご馳走がいっぱい並べられていた。チームメイトのご両親は「たくさん召し上がれ」と大歓迎だ。
佐野青年がおいしく食事をしていると、小さな子どもたちが次々とテーブルを囲み、一皿ずつ料理を指差しながら「これは何? これは?」と、お母さんに尋ねるのだ。そこで佐野青年はハッと気づく。それらの料理は全て子どもたちがそれまで食べたことのない、初めて見るご馳走だった。この家族は佐野青年をもてなすために大枚をはたいたのである。異国の地で気力を失っていた佐野青年は、この家族の温かいおもてなしに胸を打たれ、次の日からまた元気よく練習に励むことができるようになったという。この家族への恩義が、その後佐野青年を飲食の世界へ誘い、飲食業を通じた社会貢献へと導いていった。
夢をつかんでブラジルのプロサッカー選手として5年間活躍した佐野青年は、やがて怪我のため帰国。飲食業について学ぶため「備長扇屋」を展開する企業(現在の株式会社ヴィア・ホールディングス)に入社。佐野青年はここで目覚ましいスピード昇進を遂げる。
研修期間中に店長に抜擢され、半年後にはその店が全国100店舗中の売上トップとなって優秀店長賞を受賞。その後エリアマネージャーに昇格し、担当エリアの業績を全国1位に引き上げて最優秀エリアマネージャー賞を受賞。そして250店を統括する西日本地区長になり、やがて350店の責任者になった。その後、扇屋のFCとして独立し、2010年9月、愛知県刈谷市にて「新時代」をオープンしたのである。
社長の道を踏み出した彼は、それからわずか14年で152店の出店を果たした。看板メニューである伝串の販売本数は2億本を突破した。この快進撃の出発点がブラジルにあることを、佐野社長は片時も忘れない。おいしくて幸せな時間を人々に提供することで、スラム街の家族から受けた恩を返したいという強い想いが、佐野社長の原動力となっているのだ。
新時代のストロングポイント
1.伝串1本50円(税込55円)、生ビール190円(税込209円)
新時代の最大ヒット商品はもちろん伝串だ。鶏皮の余分な油を落としてコラーゲンを残し、表面はパリパリ、中はモチモチ、何本でも美味しくヘルシーに食べられるよう仕上げた。タレには万病に効くと言われる高麗人参を入れ、大豆を主原料に塩分ゼロを実現しつつもピリッとし甘辛風味がクセになる、ヘルシーな自家製「伝串スパイス」を完成させた。1本50円(税込55円)の安さも感動ものだが、串を積み上げた小ピラミッド6本300円(税込330円)、中ピラミッド10本500円(税込550円)、大ピラミッド21本1050円(税込1,155円)、新時代ピラミ ッド36本1,800円(税込1,980円)というラインナップも見事だ。そして生ビールは感動の190円!(税込209円!) 店内にも「コンビニより安い」と掲示されている。お客様からも「利益は出るの?」と心配される。この「伝串50円(税込55円)、生ビール190円(税込209円)」のインパクトは絶大である。
2.人材教育(チームづくり指導)
他のFC他の本部との大きな違いとして一番に挙げられるのが、人材教育だ。新時代には店舗運営チームを作るための教育システムがある。オペレーションだけなら、早い人であれば1週間で覚えることができる。しかし大事なのはマネジメントと店舗運営のチームをいかに育てるかだ。新時代は、それをアルバイトスタッフに伝播する方法を指導している。直営店舗において、人材開発のメンバーが一緒に教育にあたり、毎日現場で実践と反省会を繰り返しながらチームを作り上げていく。佐野社長のサッカーチームづくりのノウハウが、そこに生きている。
3.ブランド力と知的財産
店舗数が全国131店舗を超え、大繁盛店が増える。こうなるとブランドイメージもグンと上がる。「伝串50円(税込55円)、生ビール190円(税込209円)」のファサード大看板にも、強烈なインパクトがある。地方に出店すると、ついにわが街にも新時代がやってきたとばかり、大行列ができる。知名度がアップしているのだ。昨年長野店がオープンした。長野駅から10分と、立地は必ずしも良いとは言えないにも関わらず、月商2000万円が続いている。また、特許権などの知的財産も多く取得している。「新時代」の商標登録、製造特許取得、「鶏皮串のピラミッド」著作権もある。こういった努力により他店には真似ができないようにしているので、FC企業にとっても安心感がある。
4.投資回収1年以内
新時代の標準店舗は、坪数が30〜35坪、席数80~100席、営業時間は17時〜翌1時だ。これで月2000万~3000万円売れる店が続出している。そのため投資3000万円に対して1.5年以内の回収が可能。2000万円も売り上げれば7ヶ月で回収することも可能だ。またイニシャルコストを抑えるために、加盟金300万円については60ヶ月の分割払いも実施している。
ファッズの2つ目のブランドは「生串打ち 塩焼鳥 鳥ぶら」で、現在直営4店に加え、FCもスタートさせている。FC1号店は盛岡店で、月商1800万円と好調である。盛岡の居酒屋でトップブランド(ナンバー1売上)となった。
今後の目標は新時代500店舗、鳥ぶら100店舗だ。また、海外出店も東南アジアにて計画中である。ますます拡大を続けるファッズのFCに期待したい。
開業資金と収益モデル
<開業資金>加盟金 | 300万円 |
研修費 | 35万円 |
オープンサポート | 35万円 |
設計管理工事費 | 2630万円 |
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初期投資 | 3000万円 |
<収益モデル>
売上 | 1200万円(100%) |
原価 | 372万円(31.0%) |
人件費 | 300万円(25.0%) |
家賃 | 100万円(8.3%) |
ロイヤリティ | 48万円(4.0%) |
その他経費 | 80万円(6.7%) |
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償却前利益 | 300万円(25.0%) |
【企業情報】
社 名 株式会社ファッズ
設 立 2019年4月
所在地 名古屋本社 〒461-0003 名古屋市東区筒井3-27-18
代表者 代表取締役社長 角田 淳
TEL 052-937-0704
FAX 052-937-0904
URL https://www.phads.jp/
Email m.kobayashi@phads.co.jp